崩壊しつつある日本の歯科医療 〜 保険診療に対する患者さんの願いと従事者の苦悩

近年、「食べること」や「噛むこと」が健康づくりにとって重要であることが認識され、各方面で様々な取り組みがなされています。一方で「食べること」「噛むこと」に深く関わっている歯科医療の現場が大変になっていることは、あまり知られていません。

国民の願いは・・・@いつまでも健康で丈夫な歯でいたい、A必要な治療は保険でみてほしい、 B費用の負担を軽くしてほしい、でしょう。
しかし、多くの人々は医科の治療費を「必需的医療費」、歯科の医療費を「選択的医療費」と位置づけ、ひどい歯痛の時や、歯が強くしみる時しか歯科受診しない傾向があります。したがって、患者負担が増えると、経済力の弱い人ほど歯科の受診を躊躇します。  

ゆうこう歯科スタッフの願いは・・・患者さんの健康向上に貢献し、「保険でよい歯科治療」を実現することですが、たとえば今、問題になっていることの一例に「入れ心地の良い、よく噛める入れ歯が保険できちんとできない」ということがあります。
入れ歯は、高齢者をはじめ、歯を無くした人にとっては日常生活を送るうえでは大切な臓器のひとつです。高齢者の方ほど、毎日の食事が生きがいであり、生活意欲を保つ上でも重要です。 よく噛むことができて長持ちする入れ歯づくり、調整指導にとって重要な歯科医師の技術料の評価が引き下げられ、制限が強められたことにより、歯科医師が入れ歯を通じて患者さんのよりよい生活を支えるのが困難になっているのです。

長期にわたって歯科の技術料が据え置かれていることも、歯科診療所の経営を厳しくし、歯科衛生士、歯科技工士の雇用不安、労働環境悪化の大きな要因となっています。歯科技工士養成所の募集停止や定員削減も各地で進行しています。
日本歯科技工士会の調査結果によれば、技工所経営者の39.1%、勤務歯科技工士の60.8%が離業を考えていることを明らかにしています。その主な理由は、低賃金、低報酬、長時間労働などです。
これらの実態を改善するには、よく噛むことができて長持ちする「入れ歯」の製作・調整等に必要な技術料を適正に評価して引き上げ、歯科技工士が安定して仕事を続けていける施策が必要です。
「保険で良質の歯科医療」を実現するためには、現在の政策を改めることが不可欠だと考えます。


 
     
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